お知らせ

【脳梗塞後遺症】〜記憶障害とうまく付き合うには~【高次脳機能障害】

2023.07.07

こんにちは、言語聴覚士の髙木です! 


今回のブログも高次脳機能障害による影響により

起きた日常生活の変化を紹介したいと思います。


「忘れているのが不安」

「今まで覚えていたのに」


記憶障害になった方から不安をお聞きしました。


記憶にはどのような種類があるのか、

生活する上での代償法について紹介したいと思います。

記憶とは

大脳辺縁系の一部である海馬が重要な役割をしています。

海馬は必要なものと不要なのものに分ける働きがあります。

海馬で作られた短期記憶の内、必要なものが

大脳皮質に貯蔵され長期記憶となります。

記憶の種類

記憶時間によって感覚、短期、長期の3つに分類されます。

  • 感覚記憶

1秒程度の音や映像などを保持する記憶

  • 短期記憶

保持時間は数十秒間程度、容量に限りがあり7±2と言われている。

例 他人の電話番号やIDなど

  • ワーキングメモリ(作業記憶)

保持だけでなく計算や検討の処理まで含まれる。

例 会話場面での話の初めの内容、文脈を覚えているなど

  • 長期記憶

短期記憶の極一部が長期記憶になります。

半永久的、容量は無制限です。

大きく分けると

宣言的記憶と非宣言的記憶に分けられます。

  • 宣言的記憶

言葉で覚えて言葉で説明できる

  • 意味記憶

一般常識、暗記ものの勉強の多くは意味記憶

例 日本の首都は東京

  • ・エピソード記憶

個人の体験に紐づく記憶。一連のストーリーとして残る。

時間や場所、感情などと紐づいている。

例 自転車で転んで骨折をし、病院でリハビリをした

リハビリの担当者や病院の廊下や待合室などのイメージが思い出せます。

  • 非宣言的記憶

体が覚えており、言葉では説明できない

  • ・手続き記憶

技術や習慣に関する記憶

例 自転車の乗り方、ドライヤーの使い方

  • プライミング

見聞きした情報にtより、無意識に後の行動が影響を受けること

例 ドーナツのCMを見て、買い物帰りにドーナツショップに寄ってしまう

  • 古典的条件付け

条件反射

例 パブロフの犬、梅干しを思い浮かべて唾液がでる

長期記憶に定着させるために

繰り返し覚える、

声に出すなど記憶の維持時間を伸ばす

情報を既に持っている別の記憶内容と結びつけたり、

構造を理解することで残す

対象を読んだり、聞いたりするだけでなく、

自分なりの解釈を考える

リハビリ内容

1環境調整

障害と共存できるように生活環境を整える

よく使用する物は置き場所を決めておき、元の場所に戻す癖をつける。

1日の生活をルーティン化する。(スケジュール表、アラームや通知設定)

2 反復訓練

新しいことを覚える場合は、繰り返し反復することで、自然と記憶を定着させる方法。

口頭だけでなく、メモなどの視覚情報を併用します。

例 家族で出かける日を覚える

日付を復唱する、カレンダーやメモに記入する、家族に質問を定期的に投げかけてもらい定着させていく。

3視覚イメージ法

記憶とイメージを結びつけて記憶から取り出しやすくする。

例 

顔―名前連想法、ペグ法

4 外的補助手段

メモや手帳を見返す。(見返すことを忘れない人限定)

メモ、付箋、カレンダー、手帳

最近ではスマホアプリでメモを取り、知りたい日時を設定すると、時間になったら通知をしてくれるものもあります。

脳梗塞Roomアイ・エスでは、

個人に合わせたリハプログラムを作成します。

外的補助手段の工夫についてのご相談もお待ちしております。

ご相談や体験だけでも、ぜひお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。