こんにちは、言語聴覚士の髙木です。
今回は「声」について紹介していこうと思います。
声を出すメカニズム
声は、喉仏の中にある2枚の板(声帯)の部分が
動くことによって作られます。
息を吸うと声帯が開き、声を出す時は声帯を閉じ、
吐く息の力によって声帯を振動させることで
声の素(喉頭原音)が作られます。
この声の素が声帯から口唇までの
声の通り道(声道)の共鳴により
声が生まれます。
声の出ない原因
音声障害は、機能性音声障害と器質性音声発声障害があります。
機能性音声障害
声帯などの発声器官に器質的な
障害がないのにも関わらず起こる。
- 痙攣性発声障害
声帯の粘膜の病変や脳神経疾患などの
他の病態が無いことが条件です。
内転型(つまり型)→途切れ、ふるえのある声
外転型(抜け型)→かすれ、ふるえのある声
混合型(つまり+抜け)
音声リハ、
ボツリヌストキシンの声帯注入療法、
外科的治療などを行います。
- 変性障害
声変わり障害とも言います。
喉頭の変化に声の出し方が合わせられず
高い声、声がひっくり返るなどの症状があります。
音声リハ、声帯が原因の場合は外科的治療を行います。
- 音声衰弱症
弱々しい声が著しい場合。
間違った発声方法、乱用、神経症などが原因。
音声リハ、心理療法、沈黙療法などを行います。
- 心因性失声症
ヒステリー性失声症とも言われる。
ストレスや心的外傷等によるもの。
精神医学的治療、音声リハを行います。
器質性音声障害
声帯や喉などの発声器官の問題により起こる。
- 声帯結節
声の酷使が原因で声帯に硬いしこりができ、声が枯れる。
音声リハ、外科的治療を行います。
- 声帯萎縮
声帯の筋力や粘膜が痩せて声帯の閉じが悪くなる。
音声リハ、薬物療法などを行います。
- 声帯ポリープ
声の酷使によりかすれ、声帯にポリープができる。
ポリープが大きくなると呼吸困難を招く恐れがある。
音声リハ、外科的治療を行います。
- 声帯嚢胞
声帯の中に袋ができる。外科的治療が必要。
- 声帯麻痺
片側の動きが悪くなる。
脳疾患(脳出血、塞栓、腫瘍)、上咽頭癌、
外傷、気管挿入、大動脈瘤、食道がんなど様々。
原因を追求後、外科的治療、音声リハを行います。
- 声帯白板症
声帯に白色病変ができる。
炎症、癌、感染、腫瘍などさまざまで
組織診断を行い、経過観察が必要です。
- 咽頭がん
癌により声帯を壊し声が枯れる。
肺がんや食道がんが広がり、声帯につながる
神経まで達し声が枯れることもあります。
- 咽喉頭逆流症
胃酸が逆流して喉にさまざまな症状をおこす。
声のかすれ、違和感、飲み込みにくさなどがある。
薬物療法、生活習慣、環境の見直しを行います。
- 鼻声
開鼻声 鼻に抜ける感じの声。
閉鼻声 鼻の詰まった声。
鼻炎やアデノイド肥大などが原因にあります。
声が出ない原因やリハビリ、治療法はさまざまです。
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ご相談や体験だけでも、ぜひお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。