こんにちは、言語聴覚士の髙木です!
今回のブログも高次脳機能障害による影響で起きた
日常生活の変化を紹介したいと思います。
「怒りっぽくなりました」
「あんなに細かいこと気にして怒ったことないのに」
「ずっとイライラしています」
「性格が変わったみたいで」
「怒っていたのに急に涙声で依存してくる」
日常生活の様子を尋ねると怒りっぽくなった
という相談がありました。
今回のは、怒りっぽくなる、
イライラしていることが多くなり
感情のコントロールが低下する
「社会的行動障害」について紹介します。
社会的行動障害とは
脳梗塞や脳出血などの脳の損傷によって起こります。
行動や言動、感情を状況に合わせて
コントロールすることが困難となる
高次脳機能障害です。
症状例と対策
< 感情のコントロールの低下 >
状況に合わせた判断ができず、
感情を抑えることができない。
【例】
「スーパーのレジ待ちに並んで待ってられず大声で怒鳴る」
「怒られている最中に笑ってしまう」
【対策】
本人と距離を置く。
怒りやすいエピソードやきっかけは、
おさえ怒りにくい環境を作る。
リラックス出来ること、
楽しみなどを気分転換として用意する。
< 依存、退行 >
子供っぱくなる、すぐに頼る。
【例】
「小さな子供相手でも本気で喧嘩をしてしまう」
「疲れたり希望が叶わなかった時に幼稚な行動をとる」
「自分でやろうとせずに甘えてしまう」
【対策】
年齢にふさわしい行動を促す。
同じ年齢の方と行動しふさわしい行動を見せる。
小さな目標を立て、取り組みうまくできた時は褒める。
< 固執 >
こだわりが強く意見を聞かない。
同じことをいつまでも続ける。
自身の能力以上の仕事を望み、
与えられた仕事を取り組めない。
【例】
「効率の良いやり方を指示しても
自身で決めたやり方で作業を続ける」
【対策】
日にちを変え、気持ちの切り替えをする。
こだわりの内容を棚上げし、達成することを目的とする。
< 共感性の低下 >
相手の立場や気持ちを考えることができない
【例】
「場の空気を読み取れず、合わない発言をする」
【対策】
本人は気づきにくいため、信頼関係を築いている人に
具体的な注意を促してもらう。
< 欲求コントロールの低下 >
我慢ができない、お金を使い切ってしまう。
【例】
「衝動買いを頻繁にしてしまう」
「ギャンブルで持っているお金を使い切ってしまう」
【対策】
家計簿をつけて、お金の使い方をわかるようにする。
行動をノートに記し振り返りをする。
< 意欲、発動性の低下 >
何をしたらいいのかわからず、
指示をされないと行動できない
【例】
「1日中、寝転んでぼーっとしている」
「箸を持たせてもらわなければ食事を始めない」
【対策】
スケジュールを立て、行動パターンを決める。
目標を立て、やる気を起こす。
< 抑うつ >
憂鬱な気分が続きやる気が出ない
やるべきことがあっても行動に移せない
【例】
「復職後、やる気が出ない」
「単純なミスが続く、遅刻や欠勤が増える」
【対策】
生活リズムの確認、専門医への相談、
安心できる人と定期的に面会する
< 反社会的行動 >
社会の的倫理に反する行動をとってしまう
【例】
「盗み」「セクハラ」
【対策】
周囲が断固とした態度をとり、防ぐ。
検査
適応行動尺度検査
S-M社会生活能力検査
生活場面観察評価
社会的行動障害は、本人も周囲の人も辛い障害です。
また根気強く向き合う必要があります。
roomアイ・エスでは、
検査結果や生活場面の観察評価を元に、
ご本人・ご家族が不安に思っていることが
軽減するように個人に合わせた
リハプログラムを考案します。
また不安や不満な思いを素直に
表現出来る環境作りをします。
ご相談や体験だけでも、ぜひお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。