こんにちは、本日ブログを担当するのは…
言語聴覚士の髙木です!
今回は「高次脳機能障害」について
お話したいと思います。
高次脳機能障害とは脳出血や脳梗塞などで脳を損傷することによりおこります。
高次脳機能障害には、「記憶障害」「遂行機能障害」「注意障害」「失語症」「失認」「失行」「半側空間無視」「病識欠如」「社会的行動障害」などさまざまな症状があります。
身体的には問題なくても高次脳機能障害を発症していることがあり、
外見からは理解されにくいことが多くあります。
また日常生活や復職をしてからさまざまな症状により生活がしにくくなってしまいます。
今回は前回のブログ(下記リンク)でお話した
「失語症」に続き
「記憶障害」について紹介します。
記憶障害とは短期記憶と長期記憶に分かれます。
短期記憶
作業記憶(ワーキングメモリ)
何かを作業する間だけ使われる。
30秒程度しか保持できない記憶である。
(例 会話 相手の会話の内容を全てでなくても、
ある程度覚えておかなければやり取りができません。)
また長期記憶は陳述記憶と非陳述記憶に分かれます。
長期記憶
陳述記憶
記憶を言語やイメージで具体的に表現できる記憶です。
エピソード記憶と意味記憶に分けられます。
- エピソード記憶
個人が経験した出来事の記憶
いつ、どこで、誰と、何をしたかなどが含まれます。
(例 昨日仕事から帰宅し、夕食にラーメンを食べた)
- 意味記憶
学習し獲得した知識の記憶
一般的な知識や情報についての記憶
(例 アメリカの首都はワシントンD.C.である)
非陳述記憶
手続き記憶のことです。比較的に脳損傷を受けにくいと言われています。
- 手続き記憶
作業や技能の工程を身体を使って覚えた記憶
(例 自転車の乗り方)
日常生活で記憶障害として大きな問題になるのは
陳述記憶のエピソード記憶と意味記憶です。これを健忘と言います。
健忘は脳損傷の発症、受傷時を起点として前向性健忘と逆向性健忘に分けられます。
- 前向性健忘
発症、受傷後の出来事が思い出せなくなること。
重度の方は数十秒前のことも思い出せなくなる。
- 逆向性健忘
発症、受傷以前の出来事が思い出せなくなること。
日常生活との関連性
では、このような記憶障害が日常生活にどのように問題になっていくのかを紹介します。
記憶障害があると…
- 予定を忘れる
- 何を食べたか、ご飯を食べたのかわからなくなる
- 物をどこにしまったのかわからない
ここまでの問題では皆様はきっと「メモを取ればいいじゃないか」と思ったと思います。
しかし…
「メモをとってもメモをとったことを忘れる」
忘れてしまうのでメモが使用できません。
このような記憶障害に対して「環境調整」「学習法の改善」「代償手段の確立」を行います。
例えば
記憶への負担、ストレスを減らすための工夫として、
- 収納棚にはラベルを貼る
- 生活パターンを決めて過ごしイレギュラーな予定は最小限に抑える
- 会話時は相手に名乗ってもらってから話し始める
など環境調整を行うことができます。
またリハビリでは、修正が難しい記憶障害の患者様に対してエラーレス学習を行い、誤反応を避け正反応を与えることで間違った反応を潜在記憶に残さない学習法を行います。
このように脳梗塞リハビリroomアイエスでは、個人の目的や症状、生活環境を
利用者様やご家族様と話し合いをしながらリハビリを提供します。
ご相談だけでもお気軽にお問い合わせ下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。