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なぜ続かない?運動を“継続”させるコツ3選【脳梗塞リハビリ】

2023.11.24

こんにちは!

先日、体験利用された利用者様から

以下のようなお悩みをお聴きしました。


「やらないとダメと分かっているのに、

運動できない」


「言われたその時はやる気だけど、

結局3日坊主になってしまう」


今回の利用者様に限らず、

上記のような“継続”に関するお悩みをお持ちの方は

多いのではないでしょうか?


また、これはリハビリに限った話ではなく、

日常的に経験することが多いお悩みかと思います。

生活で起きている問題は何となくわかっている。

解決するためにどう行動していく必要があるかも何となくわかっている。

でもなかなか続けることができない・・・。

この過程の大きな問題は、

“できていない”という面をマイナス的な視点で捉えてしまうと、

  • どうして続けることができないのだろう?という悲観的な自己否定
  • もっともっと頑張らないといけない!という焦り

などの感情が生まれてしまい、

効果的な運動を阻害してしまうような

悪循環につながっていく可能性があります。


特に脳梗塞後遺症として麻痺がある中での

運動などはメニューが限られてしまったり、

難易度調整が難しかったりして

中々継続に至らないケースというのは少なくありません。


そこで今回、運動を継続するために大事な考え方や

実際に関わってきた利用者様の中で

運動継続に対して工夫されていた点などを

ご紹介できればと思います。

(1) どうして運動が必要なのか

まず運動による効果は多岐にわたって存在することからも、

“改善”としても“予防”としても

幅広い分野で取り入れられています。



あくまで運動は「手段」であり、

何のために運動を行う必要性があるのか

検討することが大前提として重要となります。


生じている問題が

運動で解決できるのか・できないのか、

という点を明確にした上で

スタートラインに立った状態となります。

(2) どうして続かないのか(続かないことは悪者か?)

運動に限らず、継続できないことには

何か共通点があるのではないでしょうか。


続かない・続けにくいというキーワードで

ふと思いつくのは、「ダイエット」。


テレビでもよく取り上げられるジャンルで、

某CMでも衝撃的な変化を目の当たりにしたことがあります。


その他には、私も苦い経験がある「英語の上達」。

英語を話せる人になりたい!と意気込んだのはいいものの

自己学習は続かず、英会話にも体験レッスンを受けに行ったくらいです。


いくつか理由はあるかと思いますが、

これらに共通しているのは、

「大きな即時変化を求めてしまう」という点が

挙がるのではないでしょうか。


先ほどの私の失敗例を挙げますと、

“すぐにペラペラと英語を話せている自分を想像”=カッコいい!

といった英語力0の人間が

大成長を遂げる姿を夢見てスタートし、

現実を見て挫折するといった流れで

“英語の上達”に向けてのチャレンジ終了。


ただ、このような経験も実は大事だったりします。

  • その時や今後の生活背景からすると、英語を話す必要性はほとんどなかったこと
  • “英語をペラペラ話せる“という抽象的な目標設定をしてしまったこと
  • 自分の現在位置を知らないで、勢いだけでスタートしたこと

上記のような反省点や次に繋げていくための

思考過程を整理できたからです。


大切なのは、続かないことに悩むのではなく、

「何故続けることができなかったか」という点を

内省する・もしくは他者に相談することで

少しでも前進していくことになります。

(3) 運動の継続に必要な考え方・コツ3選

それでも継続できるに越したことはないと思いますので、

3つに厳選してご紹介します。


① 小さなハードル(目標)をいくつも用意してみる

 目標は達成することで大きな自信につながり、

行動の原動力となります。

長期的な視点での計画ももちろん大切ですが、

そこから細分化して達成できうる設定を

意図的に行うことで継続しやすくなります。


何よりも“前進している”“積み上がってきている”

といったことの気付きが大事になります。


② やるべきことを絞ってみる

 前述した目標をいくつも設定すると

やらないといけないことが増えてしまう、

と感じてしまうかもしれません。


目標だけに限らず、提案された運動メニューが5つあるとすると、

全て遂行しないといけない気持ちが焦りに繋がることや、

時間的な制約があってできない!なんてこともありますよね。


そんな時には、

何か1つのことに集中すること=

“やらないことを決めること”

も重要となります。


③ 誰かと共有してみる

もちろん1人でも黙々と運動を

続けることができる人は存在しますが、

そのような人ばかりではありませんよね。


第3者と共有することによって、

褒められたり、変化に気づいてもらえたり、

前述した①のような小さい前進・積み上げに

関与してくると思います。


成功体験を増やしていくことができれば、

“継続“というワードに悩まないで済む日が

くるかもしれませんね。

(4) 継続できた利用者様の工夫例

症例紹介

 下肢の筋力強化を目的に週2回リハビリ介入している利用者様

最終的には「台湾へ海外旅行に行き、名所を歩いて散策したい」というご希望

介入当初より「歩くのがしんどい」「筋トレもなかなか続かない」とご相談があった

■提案した自宅で行う運動メニュー

・屋外散歩による有酸素運動(毎日30分間)

・下肢筋力トレーニング(5種目)

■経過

最初の1週間は持続できたが、その後は続けることが難しくなった。

この難しくなった理由に対していくつかアセスメントを行い、

生活背景なども改めて確認した上で下記のような提案を再度行った。

■工夫例

  • 普段からつけている日記に、その日に行った運動メニューを追記したこと

元々、毎日の日記をつけることが習慣化されていたため、

そこに行ったことを記載することで

積み重ねていることを毎日視覚で確認してもらった。

  • 雨天や歩くのがしんどいときには、階段昇降で代用したこと

やらない選択肢も用意し、やらないのであれば何ができるか

(この方の場合は、自宅階段での昇り降り)

という代替手段を準備した。


上記だけでなく、目標に対する現状の立ち位置の確認

それに伴った週毎の運動メニューの見直しなど

適宜お伝えしながら運動習慣が無事に確立!


日記の内容にはその日の体調や運動後の感想など

自主的に記載されるようになり、

より自分の身体にアンテナを張ることができ

目標到達に向けての有意義な

情報交換・リハビリ提案が活発に!


現在は、目標到達(台湾旅行)までは未達成ですが、

いつでも旅行に行くことができる準備

(国内旅行など)を進めています!


長々となりましたが、運動を継続できていなくてお悩みの方、

是非とも1度ご相談いただければ幸いです。