お知らせ

【脳梗塞後遺症】〜話を聞いてくれません〜【高次脳機能障害】

2023.05.05

こんにちは、言語聴覚士の髙木です! 

今回のブログも高次脳機能障害による影響により

起きた日常生活の変化を紹介したいと思います。

「話を聞いてくれない」

「聞こえていないのか、聞き返しが多い」

「内容を理解していない、流して聞いているのか」

などの声がご家族から聞かれました。

耳が悪くなった、話を聞き流していると

思われるかもしれませんが、、、

実は、高次脳機能障害のひとつ、

失語症が原因かもしれません。

失語症とは

脳出血や脳梗塞による大脳の

言語中枢の損傷によって起こります。

この言語中枢は成人の場合、

右利きは95%以上、左利きは70%以上が

左大脳半球にあるといわれています。

また話す時に使う

運動性の言語野ブローカー中枢と、

言葉を理解する時に使う

感覚性の言語野ウェルニッケ中枢があります。

損傷された部位によって

現れる失語症状が異なります。

症状

「相手が話していることがわからない」

「言いたい言葉が出てこない」

「文字が思い出せない、読めない」

といった症状があります。

頭の中に言いたいことは

イメージできているのに

全く違う言葉を言ってしまう、

口の動かし方が分からず

言いたい言葉が出ない、

また話している言葉が日本語にない

訳の分からない言葉になる、

などがあります。

また文字が思い出せなかったり、

他の文字を作ってしまう、

相手の話していることがわからない、

上手く聞き取れないなどの症状があります。

「話す」「聞く」「読む」「書く」

などさまざまな言語機能が障害されます。

また、よく「認知症」に

間違われることがあり、

周りの理解が乏しいことも

大きな問題のひとつです。

  • 「聞こえていないのか、聞き返しが多い」

「内容を理解していない、流して聞いているのか」

失語症により「聞く」機能が低下しているため

  • 「聞く」機能とは

耳から音を拾い、

脳の言語中枢で音を言葉に変え、

内容を理解します。

  1. 音声入力

この段階の障害→聴覚障害

  1. 音響分析

この段階の障害↓

音は聞こえるが

認知が困難となる聴覚失認

言語音に関する聾(語音聾)

  1. 音韻照合

この段階の障害↓

音は正確に聞き取れているが

日本語のどの音韻かを確定できない

  1. 語彙照合

この段階の障害↓

聞き取った音韻列が

日本語の単語かを判断できない

単語を不適切な場所で切って聞き取ってしまう

  1. 意味照合

この段階の障害↓

音韻列が日本語の単語であると

判断できているが、

意味にたどり着くことができない

対応ポイント

耳で聞くことだけにこだわらず、

内容を相手に伝えるということを

大切にしていただきたいです。

例えば、

文字やジェスチャーと併用して伝える

携帯で写真や動画を活用するなど

伝え方の工夫をしてください。

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ご相談や体験だけでも、ぜひお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。