お知らせ

【脳梗塞後遺症】イライラ、怒りっぽくなりました【高次脳機能障害】

2023.03.17

こんにちは、言語聴覚士の髙木です! 


今回のブログも高次脳機能障害による影響で起きた

日常生活の変化を紹介したいと思います。

「怒りっぽくなりました」

「あんなに細かいこと気にして怒ったことないのに」

「ずっとイライラしています」

「性格が変わったみたいで」

「怒っていたのに急に涙声で依存してくる」


日常生活の様子を尋ねると怒りっぽくなった

という相談がありました。


今回のは、怒りっぽくなる、

イライラしていることが多くなり

感情のコントロールが低下する

「社会的行動障害」について紹介します。

社会的行動障害とは

脳梗塞や脳出血などの脳の損傷によって起こります。


行動や言動、感情を状況に合わせて

コントロールすることが困難となる

高次脳機能障害です。


症状例と対策

< 感情のコントロールの低下 >

状況に合わせた判断ができず、

感情を抑えることができない。

【例】

「スーパーのレジ待ちに並んで待ってられず大声で怒鳴る」

  「怒られている最中に笑ってしまう」

【対策】

本人と距離を置く。

怒りやすいエピソードやきっかけは、

おさえ怒りにくい環境を作る。

リラックス出来ること、

楽しみなどを気分転換として用意する。


< 依存、退行 >

子供っぱくなる、すぐに頼る。

【例】

「小さな子供相手でも本気で喧嘩をしてしまう」

  「疲れたり希望が叶わなかった時に幼稚な行動をとる」

  「自分でやろうとせずに甘えてしまう」

【対策】

年齢にふさわしい行動を促す。

同じ年齢の方と行動しふさわしい行動を見せる。

小さな目標を立て、取り組みうまくできた時は褒める。


< 固執 >

こだわりが強く意見を聞かない。

同じことをいつまでも続ける。

自身の能力以上の仕事を望み、

与えられた仕事を取り組めない。

【例】

「効率の良いやり方を指示しても

自身で決めたやり方で作業を続ける」

【対策】

日にちを変え、気持ちの切り替えをする。

こだわりの内容を棚上げし、達成することを目的とする。


< 共感性の低下 >

相手の立場や気持ちを考えることができない

【例】

「場の空気を読み取れず、合わない発言をする」

【対策】

本人は気づきにくいため、信頼関係を築いている人に

具体的な注意を促してもらう。


< 欲求コントロールの低下 >

我慢ができない、お金を使い切ってしまう。

【例】

「衝動買いを頻繁にしてしまう」

「ギャンブルで持っているお金を使い切ってしまう」

【対策】

家計簿をつけて、お金の使い方をわかるようにする。

行動をノートに記し振り返りをする。

< 意欲、発動性の低下 >

何をしたらいいのかわからず、

指示をされないと行動できない

【例】

「1日中、寝転んでぼーっとしている」

「箸を持たせてもらわなければ食事を始めない」

【対策】

スケジュールを立て、行動パターンを決める。

目標を立て、やる気を起こす。

< 抑うつ >

憂鬱な気分が続きやる気が出ない

やるべきことがあっても行動に移せない

【例】

「復職後、やる気が出ない」

「単純なミスが続く、遅刻や欠勤が増える」

【対策】

生活リズムの確認、専門医への相談、

安心できる人と定期的に面会する


< 反社会的行動 >

社会の的倫理に反する行動をとってしまう

【例】

「盗み」「セクハラ」

【対策】

周囲が断固とした態度をとり、防ぐ。


検査

適応行動尺度検査

S-M社会生活能力検査

生活場面観察評価

 社会的行動障害は、本人も周囲の人も辛い障害です。


また根気強く向き合う必要があります。


roomアイ・エスでは、

検査結果や生活場面の観察評価を元に、

ご本人・ご家族が不安に思っていることが

軽減するように個人に合わせた

リハプログラムを考案します。


また不安や不満な思いを素直に

表現出来る環境作りをします。


ご相談や体験だけでも、ぜひお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。