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こんにちは。
最近は天候が不安定ですね。
暖かくなったり、寒くなったり。
来週は大寒波の予報で
枚方市でも最高3度、最低-4度と
驚き以上に心配です。。
さて、先日は脳出血に対するブログを更新しました。
こちらでは、脳梗塞との違いを説明しましたが、
今回は脳出血後遺症に対する
リハビリについて紹介します。
「勝手に力が入って調節できない」
「麻痺した手足をうまく動かせない」
このような方はぜひとも一読くださいね^^
このブログを読むことで、以下のことが分かります!
所要時間:約5分
① 脳出血後の後遺症:痙縮について
② 痙縮に対するリハビリ内容
目次
(1) 痙縮についておさらい
脳出血後には、「出血がどこに起きたか?」
という視点が大事だと先日のブログで説明しました。
「神経線維」と呼ばれる情報のやり取りに
重要なものに出血の影響が及ぶと
情報伝達が難しくなります。
その結果、筋肉に力が入りにくくなったり、
筋肉の緊張を調節することが難しくなります。
脳には内包とよばれる「神経線維の通り道」が存在し、
ここに出血の影響が及ぶか否か、
がとても大事になってきます。
その中でも筋肉の緊張をコントロールしている経路に
出血がかかると痙縮が強く生じてしまうことがあります。
(2) 痙縮に対するアプローチ方法
それでは、どのような治療方法やリハビリ方法があるのでしょうか。
(2)-1 痙縮に対しての治療方法
主な治療方法としては、以下が挙げられます。
- 理学療法および作業療法
- 装具療法
- 物理療法:温熱、寒冷、振動
- 電気刺激療法
- ブロック療法:フェノール、ボツリヌストキシン
- 経口抗痙縮薬
- バクロフェン髄腔内投与
その中でも脳卒中治療ガイドライン2021では、
下記が推奨されております。
- ブロック療法
- バクロフェン髄腔内投与
- 経口抗痙縮薬
- 装具療法
- 電気刺激療法
(2)-2 痙縮に対してのリハビリ方法
上記は医師が行う治療方法が含まれており、
リハビリに関与するものとしては、以下になります。
- 物理療法(温熱・振動刺激)
- 装具療法
- 電気刺激療法
(3) 痙縮に対する各療法の効果
それでは、それぞれの効果をみていきましょう。
(3)-1 痙縮への装具療法
痙縮により関節の可動域が制限されるなど
拘縮予防や変形矯正として効果を発揮します。
持続的な伸張を加えることにより
痙縮を抑制させると言われています。
さらに痙縮を抑制する肢位へ保持することで
効果を上げると考えられています。
ただ、装具単体で考えるのではなく、
運動療法と同時に利用を考慮する必要性があります。
(3)-2 痙縮への電気刺激刺激の効果
神経筋電気刺激
経皮的電気刺激
トリガー式電気刺激
などいくつかの種類に分類されます。
これらの中で電気刺激の方法や各種設定、
発症からの経過日数などによって効果が変化しますが、
痙縮に対しての有効性はいくつか報告されています。
![痙縮への電気刺激療法](https://swing-rehabili.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_6230-1024x768.jpg)
脳梗塞リハビリRoomアイ・エスでも
リハビリ前やリハビリ中に電気刺激を用いて、
痙縮へのコントロールを図っています。
(3)-3 痙縮への振動刺激の効果
緊張性振動反射という生理学的な現象を利用し
筋肉の緊張を抑制すると言われています。
また、シナプス前抑制と呼ばれる機序を利用して、
局所的な振動刺激効果も期待できると言われています。
・有効な振動刺激の周波数(1分間にどれだけ振動するか)
・実施時間および肢位
これらを調整して、痙縮の抑制を図ります。
![痙縮への振動刺激療法](https://swing-rehabili.com/wp/wp-content/uploads/2023/01/IMG_6282-1024x645.jpg)
(4) 痙縮は悪者?!発症からの過程を見つめ直す
退院後に自宅で生活していると
悪い側面ばかりが目立ち、
あらゆる阻害因子になりがちです。
ですが、発症からの経過によっては
痙縮を上手く利用していくケースも存在します。
痙縮の原因、発症からの期間、重症度などを
総合的に判断して、痙縮に対するアプローチを
進めていくことが必要になります。
(5) 痙縮対策は運動療法と組み合わせよう!
今回、紹介したリハビリ内容については
全て運動療法と併用させていくことが大事です。
単体だけでの持続効果は長くなく、
実施直後に適切な運動を実施できるか、
が重要となります。
筋肉の緊張をコントロールした中での
運動療法を展開することにより
正しい運動を遂行することが可能となります。
その結果、適切な動作へと繋げていき、
動作不良から生じる痙縮悪化などを
予防することが期待できます。
脳出血後遺症の痙縮コントロールでお悩みの方は
ぜひとも脳梗塞リハビリRoomアイ・エスに1度
ご相談いただければと思います。
[出典]
松元 秀次.最新のリハビリテーション−痙縮のマネジメント−
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/45/9/45_9_591/_pdf