こんにちは、今回ブログを担当するのは…言語聴覚士高木です!
言語の自費リハビリでは、失語症などの言語障害だけでなく高次脳機能障害も対応しております。
今回は前回のブログ「高次脳機能障害ってなに!?~失行編~」
に続き、脳梗塞後遺症である「半側空間無視&失認」についてお話します。
半側空間無視とは
脳梗塞や脳出血など脳卒中後に病巣とは反対側の物体を無視してしまいます。
視力には影響はないが、片方の空間にある物を認識できません。側頭-頭頂接合部(下頭頂小葉)で特に起こりやすいです。
日常生活での例
- 片側ばかり向いている
- お皿の左右どちらか片側半分しか食べない
- 片側にある物や人にぶつかる
- 片側にあるものを探索できない
検査方法
- 抹消試験(線分、文字、星印)
- 線分二等分線
- 描画試験(時計)
- 模写試験
- BIT(行動性無視検査)+観察評価を併用して精査します。
失認とは
脳梗塞や脳出血などの脳の損傷により、感覚障害がないにもかかわらず物体や顔などが認知できなくなります。
ある一つの感覚を介して対象物を認知することができないため、物体を目で見て分からなくても、触ってみると分かることがあります。
種類
- 視覚失認
視力低下や失語症、知能低下がないのにもかかわらず、目の前にある物が何であるか答えられない。
例 鉛筆を見せられても鉛筆だとわからないが、触ると鉛筆だとわかる。
- 聴覚失認
純音の聴力は保たれており、聞こえているがその音が何かを識別できない。
言語音のみ障害されていることを純粋語聾と言います。
(例)踏切の音や電話の音や目覚ましの音などよく知っている環境音を聞いても何の音かわからない。
(話し言葉の理解や復唱は保たれている。)
- 触覚失認
触覚はあるが、触っただけでは何かわからないが、目で見れば認知できる。
(例) コップを見てコップと答えられるが、目を瞑って触っただけではコップと認知できない。
- 相貌失認
鼻や目などのパーツは知覚可能であるが、顔全体をみて個人を識別できない。
人の顔が上手く認知できないため、家族などの親しい人の顔がわからない。
- 病態失認
自身の病気について認識できない。麻痺があるのに麻痺について否認、無視をする。
例 麻痺に対して動かしていただくように声かけをすると「疲れているから動かせない」など動くこと前提で話される。
- 身体失認
触覚や視力に異常がないにもかかわらず、自身の身体やその部分について認識できない。
例 麻痺がないにもかかわらず、左側の手を使わない。
- 街並失認
熟知した街並(建物・風景)が識別できなくなる。周囲の風景が目印にならないために道に迷ってしまう。
- 味覚失認
- 嗅覚失認
脳梗塞リハビリroomアイエスでは、生活環境や本人様の性格、家族構成などをもとに個人にあった対処法を提供します。
失認は自身では気づかない場合が多いです。ご家族や周りの方が、少しでも気になるようなことがあれば、ご相談だけでもお気軽にお問い合わせ下さい。最後までお読みいただきありがとうございました。