こんにちは!
本日は、当施設内でのリハビリではなく、屋外で実施しているリハビリ内容をご紹介します。
「買い物に行きたいけど、普段のリハビリでは時間が足りない」
「公共交通機関を使って、行きたい場所に自由に行けるようになりたい」
上記のようなお悩みをお持ちの方へ向けての内容となります。
現状、介護保険を利用したサービスでは40分もしくは60分間のリハビリがほとんどかと思います。この時間内に往復可能な場所への移動に関しては問題ありませんが、だいたいは移動後にしたい「何か」が重要となるはずです。
それが前述したような「買い物」であったり、「食事」であったり、「映画鑑賞」であったり・・。
特に買い物に関しては、ショッピングエリアまで移動した後に、さらに買い物中の移動などを含めると、到底40〜60分間では足りないのではないかと思います。
そこで、当施設ならではの120分間リハビリを活用することによって、全行程を評価することができ、より具体的なアプローチ手段を検討することが可能となります。
今回は実際に屋外リハビリを利用された方の内容を基に、説明していきます。
症例紹介
年齢 | 60歳代 |
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疾患名(症状) | 右視床出血(左片麻痺) |
屋外での移動手段 | 電動車椅子 |
ご希望 | ・もっと電車を利用して、行ける場所を増やしていきたい! ・初めて行く場所でも安全に移動できるようになりたい! ・施設まで自分で通えるようになって、リハビリ時間を増やしたい! ・施設ビルに併設されているカフェに通いたい! |
主訴 | 初めての場所は怖いし、どこに注意すれば良いかわからない、道も忘れてしまう |
上記のようなご希望や主訴を整理して、屋外でのリハビリ方法を検討しました。
まずは、当施設までご自身で来所されたことはないという背景がありましたので、
- 「初めて行く場所=当施設」としてご自宅最寄り駅〜当施設最寄り駅までの「電車移動」
- 自宅〜最寄り駅、最寄り駅〜当施設までの「電動車椅子移動」
といった全行程を安全に遂行できるかどうかを確認していきました。
電動車椅子の操作は問題なく行えていたこともあり、特に下記を重点的に評価しました。
環境面
- 人通りや車通りが多い道はないか(時間帯によって変動あるが)
- 傾斜や小さな段差など車椅子操作に支障をきたすような場所はないか
- バリアフリー環境は整備されているか
対人面
- 介助者となる駅員さんが常駐しているかどうか
リハビリの流れ
- 出発前に地図アプリを活用しながら、どのような道順で行くことができるか事前に共有
- 出発後、最寄り駅までの環境面で問題がないかチェック(周囲環境に適応できているか安全性を基に評価)
- 駅員さんとのやり取り、券売機でのきっぷ購入は可能か
- 駅構内:エレベーター操作、スロープでの乗り降りは安全か
- 当施設の最寄り駅へ到着後、周囲環境を確認しながら安全に移動できるか
特に道順を覚えることが難しいとのことでしたので、目印となる場所も確認・共有しました。
環境面については、車椅子操作に支障をきたすような場所はありませんでした。
ですが、当施設最寄り駅である「光善寺」駅の西出口すぐにはやや急な傾斜があり、恐怖心があったため、電動車椅子の速度設定の変更をして対応する必要性がありました。
また、光善寺駅には“駅員さんが不在になる場合がある”との情報カードが設置されておりました。そのため、当施設利用時には電話対応が必要ということが分かりました。
当施設のご利用を検討いただいている方の中で、京阪電車の利用かつ乗り降りに駅員さんの介助が必要な方は、下記カードの連絡先への事前連絡にてスムーズな対応が可能となるようですので、ご検討ください。
以上のような流れで公共交通機関を利用して、初めて訪れる場所での安全な移動が可能かどうかを評価していきました。
車椅子操作自体は安全に行えていた背景からも、大きな問題点は抽出されることなく、特別車椅子移動に関する必要なリハビリはありませんでした。
今回紹介した利用者様は、次回に当施設最寄り駅にて待ち合わせをして、再度道順を記憶しているかどうか、安全性は確保されているかどうかを評価する予定となっております。
屋外リハビリは、実際にやってみると「あれ?こんなに難しいの?」、「あれ?意外に簡単だった」といったどちらかの感想を持たれるように、“気づき”を与えてくれるきっかけになるかと思います。
そこで問題があれば、屋内でのリハビリ内容に修正が加わり、再度挑戦といった流れとなります。
これまで練習してきた成果を発揮するリハビリの集大成にもなるのではないでしょうか?
しっかりと時間を確保した上で、専門的な視点でのアドバイスは可能です!
屋外活動で問題を抱えている方、ぜひともあなたのお悩みを教えてくださいませ。