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【パーキンソン病】症状に対する効果的なリハビリとは?

2022.11.04

目次

こんにちは。

本日はテーマの通り、「パーキンソン病」をピックアップしました。

「足がすくんで歩きにくいので、よく転倒してしまう」

「何もしていないのに、手や足が勝手に震える」

このような症状を訴えるケースが多いのではないかと思います。

(1) パーキンソン病とは

(1)-1 パーキンソン病の症状

 以下の4大症状を特徴とする進行性の中枢神経変性疾患となります。

  • 無動

動作の開始に時間が掛かり、動作そのものの遂行速度も低下する

  • 固縮

他動的に手足を曲げ伸ばしすると、ガクガクとした抵抗感がある

  • 振戦

何もしていない時に手足が震えてしまう

  • 姿勢反射障害

転けやすくなる(転けそうになったときに手や足が咄嗟に出ない、など)

病態としては、中脳黒質と呼ばれる部位からの神経伝達物質「ドパミン」の分泌量が減少することで起こると言われています。

主に「運動の調節」をしており、運動を抑制されすぎてしまうことが上記のような症状に繋がっています。

車で例えると、アクセルとブレーキの調節が難しくなり、ブレーキばかりをかけすぎてしまう状態です。

そのため、特徴的な前屈みの姿勢を呈するようになり、歩行中に足が前に出にくくなる(すくみ足)など転倒リスクが高まります。

その他にも運動や動作に関わる問題だけでなく、自律神経系の異常(便秘、排泄障害、発汗障害)なども合併することがあります。

(2) パーキンソン病のリハビリ

 重症度と病期に応じたリハビリ目標・内容が必要となります。

(2)-1 <パーキンソン病の重症度分類> Hoehn Yahr分類

I度:片側の手足の震え・こわばり、軽度の障害

Ⅱ度:両手足の震え・こわばり、日常生活や仕事が不便になる

Ⅲ度:小刻みに歩く、転倒しやすくなるなど日常生活に支障が出るも介助なしで生活できる。

Ⅳ度:立ち上がる、歩くなど基本的な動作が難しくなり、介助を要する

Ⅴ度:車椅子が必要、ベッドで寝ていることが多くなる

発症早期より活動量低下の予防、転倒予防を目標として、有酸素運動やバランス能力・筋力強化トレーニング、関節運動やストレッチなどを実施していきます。

また、日常生活動作の注意点伝達や環境調整など安全かつ恐怖心の少ない動作方法を習得していきます。

転倒による骨折など長期的な入院を余儀なくされるケースも問題です。

ですが、外傷に至らない転倒でも転倒による恐怖心は残り、さらなる動作緩慢さを生み出す可能性もあります。

そのため、いかに転倒回数を減らして、活動量増加および活動範囲拡大を図っていけるかが重要になってきます。

(3) パーキンソン病の事例紹介「横断歩道を渡り切れるか不安です。」

(3)-1 パーキンソン病の利用者情報

<疾患名>

パーキンソン病(Hoehn Yahr分類:Ⅲ度)

<年齢・性別>

 70歳代・男性

<主訴>

本人様:

ちょっと歩きにくいかな。

家族様:

一緒のペースで歩けず、何度も立ち止まったりするんです。信号付きの横断歩道が渡り切れるか、1番ドキドキします。

<ご要望>

本人様:

もっと楽に歩けるようになって外出機会を増やしたい

家族様:

ドキドキせずに外出できるようになってほしい

<生活レベル>

 日常生活内では手助け不要、外出時には近くで見守りながら移動

動作スピードの低下」や「動作途中での立ち止まり」などパーキンソン病の特徴的な症状を認めました。

また、本人様の病識(自分の歩きにくさ、屋外移動時の危なさへの自覚)理解がまだ進んでいない状況で、家族様のSOSが問い合わせのきっかけになりました。

幸い転倒はされておらず、外出も週に1回は必ず行うような活動量ではありましたが、少しずつ外出が億劫になってきたとのことです。

「歩行障害」の問題点を整理するための指標として、以下を確認しました。

(3)-2 パーキンソン病のすくみ足に対する評価

  • 10m歩行速度

 10m間の歩行時間・歩数を計測して、歩行速度や歩幅をチェック

  • Timed up & go test(以下、TUG)

 椅子に座った状態からスタートし、立ち上がって3m先の目印まで歩行を行い、折り返してスタート地点の椅子に座るまでの時間を計測

上記を測定した上で、さらにどこに時間を要しているのかをチェックしました。

TUG:35秒

<リハビリ前:内訳>

立ち上がり~歩き始め:8秒

3m先の目印まで:5秒

折り返し(方向転換):9秒

椅子まで:4秒

椅子に座るまで:9秒

やはり家族様の訴えにもあったように、「動き始め」の問題はありそうですね。

また、それ以上に方向転換の所要時間が最も長く、両者に対するアプローチが必要と考えました。

アプローチの内容としては、以下のような流れとなります。

① 足首やふくらはぎなど硬くなった筋肉に対するマッサージ・ストレッチ

② 声かけや目印に沿った足のステップ練習

③ 全体的なバランス練習

 座って、立って、足の位置を変えて・・・など

④ 動作練習

 八の字歩行や大縄で作った道に沿って歩く練習、ハードル跨ぎや階段練習など

特に自宅はマンションであったため、セルフトレーニングとして階段昇降が簡易的に最も継続して実施することができた様子であり、リハビリ場面でも多く取り入れていました。

その結果、約1ヶ月間で以下のような数値変化がみられました。

(3)-3 パーキンソン病のリハビリ結果

TUG:25秒

<リハビリ後:内訳>

立ち上がり~歩き始め:5秒

3m先の目印まで:4秒

折り返し(方向転換):6秒

椅子まで:4秒

椅子に座るまで:6秒

実際の生活レベルでも、以下のような変化を認めました。

  • 自宅近くの信号付き横断歩道を時間内に渡り切ることができた
  • 週1回→週2回に外出頻度が増えた(カラオケに行く、ゴルフの打ちっぱなしに行くなど)
  • 家族様も見守る中で、どのような場面で問題が生じやすいか理解できたご様子(声かけのタイミングや内容、自宅で注意すべき環境調整なども含む)

以上のように重症度や症状に合わせてのリハビリによる運動や動作練習は、非常に有効な手段になります。

(4) パーキンソン病でリハビリするなら

入院による集中的なトレーニングも取り入れている施設も増えております。

当施設のような自費リハビリならではの、「120分間の長時間リハビリ」でも集中的なトレーニングは十分可能です。

自宅で過ごしながら、「状態を維持・改善に向けていく」という視点はとても大事であると考えております。

進行性の疾患であるからこその自己理解・他者理解を進めていきながら、問題に向き合っていく能動的なリハビリ姿勢を伸ばしていけるような支援ができれば、と思います。

パーキンソン病で動きにくい、よく転けてしまう、などのお悩みをお持ちの方、ぜひとも1度体験プログラムをご利用してみてくださいね。