お知らせ

熱中症は室内でも起こっている!!

2022.06.17

こんにちは!脳梗塞リハビリRoomアイ・エス 理学療法士 井上です。

梅雨に入り、ますます暑さと湿気が厳しくなってきました。。

前回のブログのとおり、私たちの体は、天気が変化することによって、自律神経にさまざまな影響を受けています。

また、これからの季節は、熱中症にも気を付けていかなければならないですよね。

熱中症は室外だけではなく室内でも油断してはいけません。

少し前の日本救急医学会のデータでは、6月~9月のわずか4か月間で医療機関を受診した人だけでも40万人以上の人が、熱中症になっています。

今回は、この熱中症を題材に、室内にいることが多い高齢者、脳卒中後遺症の方、認知症高齢者に目を向けてお話ししたいと思います。

熱中症はどうして起こる?

通常、私たちの体は、常に熱を産生し、同時に、環境に合わせて「放熱」「蓄熱」し適切な体温を維持しています。この働きが何らかの異常によりくるってしまい、体内に余分な熱がため込まれてしまうために熱中症になります。

さらにもう一つ、発熱することで私たちの体は汗をかき、体温を下げます。しかしこの時体に必要な水分や塩分が足りなくなってしまうので、何もしないと脱水状態になり、熱中症の原因となります。

高齢者の場合

高齢者の場合、重症ケースも多いので特に注意しましょう。高齢になると老化により、暑さを感じにくくなります。したがって、熱中症に気づかず、症状がかなり進行し、重症化してしまいます。

また、高齢になると汗をかきにくくなります。つまり、体内の熱を外に逃がすことがしにくくなっています。さらに、高齢者は体内の水分量が減少し、のどの渇きも感じにくく、水分の補給をおごそかにしてしまうため脱水症状がおこりやすくなります。

脳卒中後遺症などがある場合

脳卒中の後遺症や糖尿病などの持病がある人も、暑さを感じにくくなったり、汗をかきにくくなったりしているので、熱中症に気をつけましょう。

脳卒中後遺症で脳機能の低下により、暑さや寒さを感じなくなっている場合があります。実際例として、脳卒中後遺症で真夏でも涼しい・寒いと感じたりし、部屋温度を上げてしまうことがあります。こういった場合に、暑さを感じていなくても、体に熱がこもってしまっている場合があり、熱中症になることがあります。

認知症高齢者の場合

認知症高齢者は以下の理由により、熱中症のリスクが上がるといわれています。

①今の季節がわからない

中核症状の一つ「見当識障害」により季節が夏で今の時間帯は昼なのか夜なのかということがわからなくなり、最適な服装を着て生活するということできなくなる場合があります。

②暑さの判断ができない

暑さや寒さを判断することができなくなることにより、「暑いので水分補給」「部屋を涼しくしよう」といった判断が思いつかず熱中症になりやすくなるといわれています。

③水分補給の管理ができなくなる

こちらも中核症状の一つ失行という症状により、運動機能障害がないにもかかわらず、「暑いから水を飲んでね」と言われても「水を飲む」という動作が出来なくなることがあります。

熱中症の予兆を見落とさないようにしましょう!

私たちの体は、天気が変化することによって、自律神経にさまざまな影響を受けています。本来、前回のブログでも話した通り、気候や気温の変化で自律神経が乱れ、体を上手く適応できないことがあります。一方で、なんらかの原因で自律神経が乱れることにより、「気圧」「湿度」「温度」の3つの変化にうまく体を適応させることができない場合があります。「夏場はマスクを外して、こまめに水分補給や休憩を!」、といいつつも、先に述べた、高齢者、脳卒中後遺症、認知症高齢者においては、病的に自律神経の乱れもあるため、本人では判りかねる場面が多くあります。水分摂取や室内温度調整を本人任せにせず、見守れる環境下で熱中症の予兆を見落とさないようにしましょう。

当リハビリRoomでも給水や換気および気分転換など体調管理をしながら休憩を挟んで、効果的なリハビリが出来るよう取り組んでいます。