こんにちは!
前回のブログでも述べましたが、ここ最近はプラン内で訪問対応をしている機会が少しずつ増えてきております。
そこで本日は、私が訪問リハビリ時に確認していることを含め、当施設の訪問対応による関わり合いをイメージしていただければ幸いです。
【チェックしていること】
1. カウンセリング内容と生活状況に差はないか
実際に行っている生活動作や介助者の介助量・方法、環境面など口頭にて事前に情報収集した内容と一致しているかどうかをチェックします。動画や口頭だけでは判断しにくい細かな問題も存在するので、実際の動作を確認することが最も正確な評価となり得ます。
例)動画・写真上では低い敷居に見えていたが、実際には高さがあった等
最近のバリアフリー住宅では、あからさまな段差はみられなくなっているものの目には見えにくい僅かな段差・傾斜が存在することもあります。これが利用者様の動作を阻害している因子になることもあり、実動作を確認しなければ判断しにくい要素となります。
2. 生活リズムに一貫性・習慣性はあるか
- 普段どこで過ごすことが多いのか
- どのような動線が存在するのか
- 自宅内での役割は何があるのか
上記のような問題となっている生活動作とは別の周辺状況も確認します。
例えば、トイレ動作の介助量が増えている要因として、
①トイレ動作単独での問題なのか:
衣服の上げ下ろしが困難な場合等
②移動などの基本動作含めたトイレに至るまでの問題なのか:
部屋からトイレの位置が遠すぎる等
③生活習慣そのものの問題なのか:
そもそもトイレ以外で全く動く機会がない等
3. 施設内でのリハビリ意欲と差はないか
利用者様にとっては住み慣れた環境となりますので、外部からの刺激量は外出して施設内でリハビリを実施する時とは大きく異なります。
他者が自宅に訪問されることを気にされ、しっかりと準備される方もいらっしゃいますが、中にはいつもの昼寝時間に居眠りしてしまったり、休憩時間が長くなってしまったり、施設内でのリハビリ展開とは変化がみられることも少なくありません。
以上の3点をまずはチェックし、訪問リハビリにおける実施内容や目標設定の微調整などを検討して、利用者様・家族様と共有します。
訪問リハビリが対応となるケースとしては、生活動作・行為の問題を有していることが大半であり、それらを構成する要素は下記となります(図1)。
- 身体機能的要因
- 精神・心理的要因
- 環境的要因
図1 図2
伊藤隆夫:訪問活動における理学療法の専門性と可能性−10年後を見据えて.理学療法学.42(4).2015.327-331より引用し抜粋
脳梗塞を発症して早期の入院中であれば、この3つの円で最も大きくなる(関与が大きい)のは、「身体機能的要因」となります。
しかし、自宅へ退院した後には「環境的要因」が最も大きくなり、新たに「家族・介護者の要因」も追加されるようになります(図2)。
どのような環境で、どのような生活背景があるのか
訪問リハビリではより細かに上記を把握することができ、多方面での問題にも対応しやすくなります。
このように、当施設では訪問リハビリの強みを活かしながら、施設内でのリハビリ強化に取り組んでおります。
同一担当者が、リハビリ状況を見ながら訪問・施設の両者を使い分けることができる点が自費リハビリにおけるオ−ダーメイドリハビリの強みではないでしょうか。
ぜひとも現在の生活状況にお悩みのある方、特に家族様がお持ちのお悩みもお聴かせください。